プロフィール
■出店者名:JA新潟かがやき ささかみセンター 様
■担当者名:営農課課長補佐 一ノ瀬博 様
■店舗カテゴリ:その他
■出品商品:もち麦、豆腐、コシヒカリ、枝豆、越後姫
■所在地:阿賀野市
■直送出店年月:2019年6月
「新潟直送計画」のことはどのように知りましたか?またどのような印象を持っていましたか?
面白い取り組みであると同時に、JAの商売敵ではないかと思っていました。
クーネルワーク立ち上げ期に、ニュースやSNSを通じて「東京から若者4人が新潟に移住し、起業した」という情報を目にしたのが最初です。
当時は「都会の人達がなんでわざわざ新潟に?大変じゃないか」という印象で、失敗しないといいけどな…と純粋に心配していました。当時はまだ取引相手になるようなイメージは全くなかったですね。
ただ、徐々に農業関係者から「新潟直送計画」に出店している話を聞くようになったり、よくよく調べてみたところ、新潟産品を全国へ発信する唯一無二のサイト、面白いサイトだなと感じるようになりました。
ただ、「農産物を売る」という意味では、JAとは商売敵になるんじゃないかという思いも。
だからJAが新潟直送計画に出店するということはできないだろうなと理解していたし、JAにはJAの強みがあるので、それはそれでいいだろうというスタンスでした。
「新潟直送計画」への出店の決め手を教えてください。
3大ショッピングモールに出店して地域の生産者の農産物の発信力を高めたい!
JA新潟かがやき ささかみセンターは新潟県内で2番目に小さい規模のJAです。いい商品、いい農家がたくさんいるのに販売力や発信力が弱く、何かアピールする場を作ろうと思って、ネット通販を検討するようになりました。
担当部署がどのショッピングモールがいいか調べているときに、私が「新潟直送計画」が一番いいと進言したんです。「新潟直送計画」に出店するだけで楽天市場・アマゾン・Yahoo!の3大ショッピングモールに出店することと同じことになるので。
担当者も楽天市場などの大手ネット通販サービスを視野に入れていたので、網羅できる「新潟直送計画」にすぐに賛同を得られました。1年前ですね。
もともと首都圏の生協「パルシステム」とのお付き合いもあり、直接消費者に商品を届けるシステムを採用した実績はありました。
ただそれ以上に、「新潟直送計画」にはSNSなどを通じた「消費者との距離感の近さ」を感じました。
JAがネットの産直サービスに出店することに、抵抗はありませんでしたか?
消費者の「おいしい!」という声を知るには、市場ではなく直接食卓に届ける仕組みが必要。
「JAは既存の市場流通があるのだから、『新潟直送計画』に出店の必要はない」と思われるかもしれませんが、我々は小さな組織なので、「新しい事にどんどんチャレンジしていこう」という気質があります。
現在は特に、枝豆の「えんだま」など地産商品のブランド化に力を入れていますが、それらの取り組みとは無関係に、市場では「JA全農の枝豆」として、誰が作ったかわからない形で売買されてしまうのです。
本当においしいものを作っても、「おいしい」という声が聞こえてこない。地産品のブランド化に取り組む以上は、JAであっても、やっぱり消費者と顔の見えるお付き合いをしたいわけです。
「畑と食卓を結ぶ」その間において、JAも、新潟直送計画も、それぞれの役割を持った上で、いい関係性を保ちながらやっていけたらいいと思っています。
実際に出店し、販売を始めてみていかがでしょうか?
ちゃんと消費者の顔が見える仕組みに、いい意味の緊張感が生まれています。
1年間出店してみての感触は、誤解を恐れずに言えば「まだまだこれからだな」というところです。
それは、我々自身がまだ「新潟直送計画」の活用が不十分だと実感していて、例えば青果だけではなく長期的に販売できる加工品もラインナップに加えたら、規格外品などのロスも減らせるし、通年で販売することができる。
こういう部分は一農家では対応が難しい部分だし、地域をまとめるところを含め、JAが頼られているところだと思っています。
「直接農家から消費者までの橋渡しをする」というのは、本来JAがやるべき取り組みだったかもしれませんが、実際我々ができるのは生産物を市場に出すまで。
農家によって仕上がりは違いますが、みんな「JAささかみ」の名前で同質化して卸されていたわけです。
それが今、「新潟直送計画」から消費者の名前が書かれた発送伝票が届くので、ちゃんと消費者の顔が見える感じがするんです。だからこそ改めて、常に一番いいものを届けたいという想いや、いい意味での緊張感、プレッシャーが出てきました。
「新潟直送計画」へ出店する前と後で、経営状況や販路に変化はありましたか?
消費者からの反応がやる気と品質向上へのエネルギーに。
新潟直送計画を出店してから、商品を出荷している生産者さんが、自分の商品が掲載されていることをすごく喜んでくれて。
ブランド化の動きや、「新潟直送計画」を始めたことで、生産者の意欲の変化も感じています。食べる人の笑顔を求めるし、反応を知りたがるようになった。
これまではいくらで売れるか、どれだけ売れるかに価値がありましたが、これからの時代、ただたくさん作ってたくさん売るだけでは、農業は衰退していってしまうでしょう。
消費者からの反応として、厳しいご指摘を頂くこともありますが、そこはJAと農家が一緒にたくさん反省して、よりいいものを作る原動力にしています。
また私たち自身も、新潟直送計画で作ってもらった店舗・商品ページを見て、改めて自分たち自身や商品を誇りに思えたことは大きな収穫ですね。
自分たちのいい部分を引き出してもらえて、商品の価値が第三者目線でページに表現されていているので、背中を押されている感じがします。
「『新潟直送計画』が頑張ってくれている、我々も本気でいいものを作ろう!」という気持ちになりました。
やはり生産者に意欲を持ってもらうためには、まず我々JAがそう思えないといけませんよね。
販路という意味では、県外からの注文が入るようになったことが大きいですね。
何より、ネット通販は、一番おいしい旬の時期に、最高の状態で、全国のお客さんに商品を届けられるところがすごくいい!
資本力や規模は関係なく、商品そのものの良さやストーリーだけで勝負できるし、小回りがきくところも我々に向いていると思っています。
他の方に、「新潟直送計画」への出店をお勧めしたいですか?また、どのような点をお勧めしますか?
JAも出店する価値あり!消費者が興味を持つ入り口になります。
特に、我々のように外に向けてアピールできていない農家や企業にお勧めしたいですね。売上の変化はもちろんですが、お客様からの反応やレビューがしっかり届く、という部分が面白いと思います。
もちろん他のJAにも勧めていきたいですね。例えば、その地域のJAの産品が、テレビなどに取り上げられたときに、全国の消費者から注文を受けられる。直売所を持っていないJAには、特にメリットがあります。
しかも、ただ商品を買ってもらうだけではなく、店舗ページで自分達のことを詳しく知ってもらえる。そんな「入り口」としての受け皿を担ってくれる存在です。
今後新潟直送計画に期待することを教えてください。
食卓で生まれた笑顔を農家に返す、その中間を一緒に担っていって欲しいです。
広告塔的な存在であり、顔になってくれる存在だと思いますね。そこでどう評価されるかは、JAささかみの今後の取り組み方が問われているという気がしています。
JAはこれまで、消費者目線でも生産者目線でもない「中間」という位置付けでしかなかったと思います。
ささかみには、いいものを作る農家が本当にたくさんいるので、今後我々は、その人達が作ったものをいかに食卓に届けてあげられるか、食卓で生まれた笑顔を生産した農家さんに戻してあげることに取り組んでいきたい。
このささかみの地で頑張る農家のためにも、短期的な数字を追うだけではなく長い目で見て、種をまいて育て、「畑と食卓を結ぶ仕組み」を、我々と「新潟直送計画」とが一緒になって築いていけたらいいなと思っています。
JA新潟かがやき ささかみセンター様の出品商品
https://shop.ng-life.jp/ja-sasakami/0350-003/